2022年新年度がスタートしました。
新社会人は4月1日に入社式に出社して、オリエンテーションや説明会、手続きで一日が終わって会社の雰囲気が少しわかった程度でしょうか。
4月1日が金曜日であったこともあり行きたくもない歓迎会があったかもしれません。また早速辞令が出て勤務先への異動、引っ越しなどを準備をさせられる忙しい会社もあるかもしれません。
私は早速、ゴールデンウイークが待ち遠しくなっています。
入社して最初の段階では人事部の人が対応してくれると思いますが、会社の「顔」である人事部とは一体どのような部門なのでしょうか?
(私が入社したバブル後期の頃は茶髪の人事のおねーさんがいて「あれ?」と思ったものです)
「起業は人なり」と言う松下幸之助さんのありがたい言葉があるように、企業が持続的に成立するためには、それなりの「人」が必要不可欠なので、その統制をする「人事部」はかなり重要な位置付けにあるはずです。
ところが各々の企業はその中核となる事業について専門性が高いのは当然ですが「人事」については専門性が高いとはいいがたいと思われます。
また個々の会社だけでなく日本固有の長年続いてきた終身雇用形態も維持できなくなっています。雇用形態が変革すると言われて久しいのですがいまだほとんどの会社が終身雇用の形態を取っている感じです。
日本型雇用についてはいいところも悪いところもあると思いますし、一様に欧米型を導入してもうまくいくはずがありません。また欧米も雇用制度、人事制度は流行で変わるようです。
代表的なアメリカGEが採用していたRank and Yank(ランク・アンド・ヤンク)という制度があります。年に一回全社員をランク付けし、業績の悪い下位10%の社員を解雇する制度で、かなり浸透したようで、ドライなアメリカ的なイメージが根付いた制度だったかもしれません。しかし結局は2016年にこの制度は廃止になりました。
最近ではまた欧米型の採用制度の「ジョブ型」(※)と言ったカタカナのよくわからない制度が脚光を浴びてきています。
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(※)ジョブ型(欧米型)
職務記述書と言った書類に事細か記載されている仕事を行う。
記載されていない仕事はしなくてよい。つまり野球ならライトの範囲さえ守っていればいい。グレーゾーンはないので1mmでもセンターの範囲であれば自分の責任はない・・らしい
仕事がはっきりしているの評価がしやすい。(評価を下げやすい・・・)
仕事の内容がはっきりしているので人材の流動性が高い(すぐに代わりの人を探せる・・・)
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このジョブ型はホワイトカラー向けだと思いますが、意味合いとしてはホワイトカラーの中でも限りなくブルーカラーよりの業務用の雇用制度です。
つまりだれにでもできる仕事をオープンにさせて「ジョブ型」の言う名前にして給料を低く設定するもののようです。
「ジョブ型」と言う名称をつける必要があるか疑問ですが、この仕組みを導入するための理由があるのです。
誰でもできるような仕事を維持、継続するために自らの仕事を「ブラックボックス化」しているホワイトカラーの人がいるのです。しかもかなり多く企業に棲みついています。
この「ブラックボックス化」している人たちを体よくリストラするか賃金を下げさせるための「ジョブ型」と思われます。
弊社でブラックボックス化していると思われていた従業員が辞めたことがありました。
補充の人員は来たのですが引き継ぐ時間が少なく、残るメンバーで戦々恐々としながら分担することになり恐る恐るこの「ブラックボックス」を開きました。
確かに分かりにくい部分があったり、つまづいて悩むこともありましたが1ヵ月間もしたら「ブラックボックス」と思われていた業務はなんとか既存人員で吸収することができたのです。
1ヵ月間は残ったメンバーで頻繁に打合せをしたり、残業も増えましたが結果的には「ブラックボックス」を開いたことで業務の流れを明確にできました。
つまり「ブラックボックス」は「パンドラの箱」ではなかったのですね。
ジョブ型という新制度を入れる体にしないと「ブラックボックス」をオープンできない日本の弱い部分が出ていると思います。
このような仕組みを導入することで少しずつ慣習を兼ねていくのですね。
ところで私事ですが今回4月の辞令がなかったので当面は現職をこなす必要があります。現職が5年以上なのでいつ異動がでてもいいのですが、あまりに辞令がでないの自分が会社に必要のない人間なのかもしれないと余計自信がなくなってきてしまいます・・。
まだまだ「中年の危機」は脱出できていないようです。