社会人になってから人付き合いは会社内に限定されてきた。会社員になってから23年もの間、たった一つのコミュニティーにしか属しておらず、しかもほとんどその中の人間としかコミュニケーションを取っていないのである。
中年の危機ですぐにでも会社を辞めたいと思っているので会社人間ではないし会社が嫌いで仕方がないが、人付き合いの得意ではない自分は社外の別のコミュニティーに積極的に参加することもない。
そのため自然とコミュニケーションを取るのは会社内に限定されることになっている。
また会社という場所は上司、部下、同僚、セクショナリズムの壁が立ちはだかっている他部署という様々な利害関係に満ち溢れたコミュニティーであることから友達を作る場所ではないと思っている。
もちろん友達がいないわけではないが利害関係の薄い人間ばかりを選んで付き合っている。
例えば、出向・転籍した先輩、出世にまったく関係のない先輩たちである。
このような先輩たちは会社で更に優位なポジションを得ようと思っていない(少なくとも表面上は)ため、会社での出来事を3面記事のゴシップのように評論できるのである。
そして会社以外での楽しみ・生きがいを持っていることが多く、人生を会社に振り回されることが少なく比較的平和な生活をしていけているのである。
もちろん簡単に言うと会社での出世を諦めているので年下の上司や同僚から仕事面において不愉快な言動をされることもあるが、それは人生の多面的なある一面でしかないと割り切っているため比較的大きなストレスにはなっていないのである。
このような人たちを見ると羨ましい。会社以外でのコミュニティーと関わっているということはそこに一定数の友人がいるということでもある。
自分は23年間会社での利害関係の中でしたコミュニケーションを取っていなかったため、いざ他のコミュニティーに入って他人と関係を築くということが出来なくなっていることに気が付いた。
他人に興味もあまり湧かなくなってきていることもあるが、他人から友人となる距離感の詰め方を忘れてしまった。というか友達になる方法を昔からちゃんと学んでいなかったのかもしれない。
この年になって自分から他人との距離を縮めることに恥ずかしさもあるし、面倒であるとも感じてしまう。
変なプライドが邪魔をしているかもしれないが、このまま会社だけのコミュニティーに頼る訳にも行かないのでどこかで勇気を出して友達を作るチャレンジをしていきたい。