昔の夜の空港とセキュリティ
父は普通の会社員だったが転勤、特に海外勤務が多かった。海外は行先がいわゆる先進国だったこともあり4ヶ所とも家族帯同で赴任した。
そのうち2ヶ所は自分も小さいころについていった。物心つく頃にはすでに何回か飛行機に乗っていたことになるが、記憶にあるのはうす暗い夜の空港である。
40年くらい前で海外赴任や出張はそう珍しいものではなかったと思うが、よく夜の空港に関係者を見送りに行っていた覚えがある。
昔はセキュリティーが今と随分違うので、見送りも搭乗のかなり近くまで行けた気がする。今だと、チェックイン後のセキュリティー前までしか見送りに行けないが、昔は搭乗ゲートの本当にタラップ近くまで行っていたような覚えがある。
出国手続き後の搭乗ゲート付近の待合ソファーなどで搭乗時間まで搭乗する人も見送りの人と一緒に寛いでいたような記憶がある。
見送りの人間が出国手続きをしないで搭乗ゲート付近までどのように行ったかは不明だが、夜の搭乗ゲート付近で同じ年代の幼稚園?小学生?の子供とで出発時間まで興奮しながら走り回っていた気がする。
日本に帰る人と同じ会社の家族、同じ日本人小学校の家族もまとめて空港に見送りに行く習慣があったように思う。
海外では日本と比較すると短い周期の辞令がでて異動があるため頻繁に人が入れ替わっていた。そのため4半期に一回は空港に見送りに行っていたのではないだろうか。
「友達が日本に帰ってしまう」「夜の薄暗い空港」という二つの大きな要素が重なり、自分の記憶に深く刻まれた。
・昔の成田空港第1ターミナル
一方、自分も一時帰国などで日本に帰国したことが数回あるが、空港でもう一つ印象深いのは「成田空港第1ターミナル」である。
最近の空港はどこも大きな空間で高さも広さも充分とって非常に開放的であるが、「成田空港第1ターミナル」は古いためか、制約があったのか知らないが天井が低く薄暗いイメージである。
最近行く機会があったがやはりイメージ通りの低天井で薄暗い感じてあった。
ほぼイメージ通りの空間であり、そのレトロ感に感情的になってタイムトリップした様な感覚におちいる。
とにかく空港という特殊な空間の特殊な構造がそのような気持ちにさせていると思われる。
出来る事ならあの第一ターミナルの構造は当分の間残して欲しいと思っている。