ピエール瀧さんの薬物使用が連日ニュースを賑わせている。出てくる話はどれも「いい人」で、まさか薬物を使用していたなんて!という反応ばかり。
幼馴染?友人?の元プロレスラー?も同様で、擁護サイドの発言として、プレッシャーに押しつぶされたのでは?と話していた。他の人もキャパ以上の仕事、能力を期待されていたのがプレッシャーになっていたのではないか?との見解。
メディアをかいつまんでしか触れていないが、ピエール瀧さんの印象は「超絶器用な才能を持つ人」である。
音楽で世に出てきたが、別にそこまで熱中していて、絶対大物になろうと思っていなかったとか。
また俳優業でも何かの賞をもらった時に「場違い」だと自ら認識している発言もあった。
見えないところで猛烈に努力、苦労をしているのかもしれない。しかしそれをおくびにも出さずに、飄々としながら音楽・俳優業でかなりの成功を収めている。
世の中には音楽でも俳優でも相当の下積みや苦労を重ねても陽の目を見ない人が多いのに、この人はいとも簡単に(見える)、それなりの状況に立つことができた稀有な人物なのである。
これはこの人が持つ「運」、「運命」も関係していると思うが、やはり因果応報そんなにうまく行かなかったようだ。
20代の頃から薬物を使用していたのに異常な行動があったとは読み取れない。ということはうまく薬物と付き合っていたのか?みたいな感じにも受け取れる。若いころに軽い気持ちで薬物に手を染めてしまい、やめられなくなったのかもしれないが、見ている感じは非常に落ち着いて地に足がついている人物に見えた。
そんな人間が薬物に手を染めてしまうということは、やはり人は外面からは何も読み取れないということである。もしかしたら瀧さんには想像もできないほども「闇」が存在していたのかもしれない。こればかりは本人にしか苦しさが分からないので追及できない。
本ブログではやはり、中年の危機に起因するという見解を織り込んでおきたい。
自分の意に反した(反していたかは不明だが)、想像以上の成功(本人が成功と思っていたかは不明だが)に対して周囲から想定以上の期待とプレッシャーをかけて続けて来たらやはり逃げ出したくなる。嵐大野さんのようにがんじがらめの生活から自由になりたくなる。
そもそも今の状況は自分が望んでいたことなのか?自分は一体何をしたかったのか?
⇒まさに中年の危機である。
仕事、家族、社会にガリガリに束縛されているのに、自分とは?とかそんなことに気が付いてしまったら最後、出口のない自問自答の無限ループに入り込んでしまう。しかもいまの環境・状況から簡単には脱出できないことに気が付いて、更に息苦しくなって溺死寸前なのである。逃げ場がない、そんなお先真っ暗な状況で悩み苦しんでいたのではないかと思う。
中年の危機は、成功からほど遠い人間が主に罹患すると思っていたが、成功している人間にもそれ相当の苦しみがあるのである。