毎朝会社に行きたくない。仕事なんてしたくない。仕事をしたってそんなに得るものがあるとは思えないし、「定年まできっちり勤め上げる」という概念がいまいちよく理解できない。期限を決めて長い間働くことが称賛されるのか?なにかを成し遂げるのではないのか?毎日会社に行けばいいのか?
社会人になる前、就職活動をしているときに思っていたことである。(いまとほとんど同じ・・・)いまでも思うが、なんで毎日会社に行くのだろうか。壮大なる目的があるのであればいいが、所詮会社員として歯車として活動するレベルでそんなにやりがいがあるのだろうか?
そんなことを朧気ながら感じて、かといって何か本気で打ち込めることはないし、経済的にはいつかは親からの依存を脱却しなければいけないと思っていたので流れに任せて周りがみんな就職活動しているのでそのまま同様に活動した。
当然、思いもなくやる気もなく、小手先で就職活動をしていたので一流商社や航空会社、カーメーカーな有名企業はことごとく落ちたし、少しだけ効きそうな親のコネも使ったが見事一次試験で玉砕。
聞いたこともないメーカーに就職。一部上場していたが、周りには自慢できるような会社ではない。自分では働くならやはり「メーカー」、経済活動の原点はモノづくりだし、金融やITのような目に見えないものを取り扱うのは邪道だよ。と勝手に言い訳を考えて、内定をもらった会社で満足するように自分を納得させていた。
就職からやく23年。懲りずに毎朝起きて会社に行っている。ここ20年はそれこそ何も考えずに適当にこなしてきたが、何とかうまい具合に評価されることもあったがここ2,3年は、初心の「毎日行きたくない」を強く思うようになってきた。
理由は明確で雇われの会社員では自分の思うように仕事ができない、選べないだけでなく、働く時間、働く場所に制限があるということを非常に切実に感じるようになってきたからである。
具体的には転勤にともない、住む場所が強制的に変わってしまったし、仕事が変わったことで拘束時間が飛躍的に伸びて、自由時間が減少したし、仕事の責任も増えたことで精神的なストレスが激増したのである。
営業職で管理職ということもあり、顧客と自社の間に挟まれるし、顧客は法人なのでこれまでの関係やこれからの長期的な取引の継続が必要であるため、歴史的なことを考慮しながら、顧客も購買窓口だけでなく上層部や関連部署への根回しなどなど気を遣うことが無数にある。さらには自社においても、ベクトルを合わせるところから必要で、無駄に邪魔をする人間や何もしないのに文句をいう人間様々で、問題を解決しようとしていないのである。
そんな中で前線で仕事をして何とか部下と踏ん張ってきたが本当に自分の業務が必要なのか?ここまで頑張っていることに意味があるのか?疑問に思い始めてしまったのである。
しかしすぐにやめることはできない。いろんなしがらみの中で生きているのである。そのため会社を辞めないという忍耐力だけはついてきた。