少し前から会社で社員研修を受けている。全10回程度で毎回ほぼ一日拘束され、外部講師も呼んで開催しているのでそこそこコストは掛かっている。ありがちな実務とは全く関係のないMBAの学問系の研修でいわゆる人事部の自己満足で実施されているものである。
推薦した上司は、選んで推薦してやったので光栄に思いなさいといった感じで、相変わらず手柄は自分にといった昭和のサラリーマン。
一方、研修を受けている社員は実務を抱えており、実務や将来に役に立ちそうもない研修に時間を割いていたくないと思っており、研修に対して全く嬉しそうでない。
このような社員と人事部、上司間での将来構想に対するコンフリクトが更に仕事のモチベーションを著しく下げさせる。
今回は「リーダーとは」というかなり漠然とした?な課題であった。いつも通り、研修が終わった瞬間には50%忘れており、帰宅したら70%忘れ、翌日には90%忘れていると言われている通りになりそうだったので、今回は自分が面白いと思うことだけでもメモして記録した。
その中で印象的だったのは、リーダーとして有名で支持されていて欧州ではかなり有名で古いがカエサル(シーザー)と、日本では強権であったがカリスマとして支持されている織田信長のこと。
この二人には調べていくと色々な共通点があると思うが、共に部下に裏切られて殺害されているという点が一番わかりやすい。おそらくこの共通の最期がこの二人を象徴している。
通常のリーダーでも孤独と言われているが、この強烈なカリスマがあるこの二人のリーダーは相当孤独で孤立していたと想像できる。凡人には理解できない、想像できないことがこのリーダー達には見えており、どうすれば自分たちの野望を実現できるかもわかっていた。そしてその野望を実現させるためにはいかなる犠牲も辞さずに突き進むという強固な意志も備えていたのである。
そんな凡人とは全く異なる思考回路を持つ偉人リーダーには目的を達成させるための労力は惜しまないが、身近な人間や部下に対しての評価はまっとうにできなかったのかもしれない。
このようなリーダーにとっては部下は目的達成のための駒であり、いかにうまく活用できるかが最重要なのでおそらく部下の感情は二の次だったのかもしれない。
そしてついてきている人間は距離が近いからこそバイアスがかかってしまい、真偽を見極められなかったのかもしれない。
いずれにしても、なにかを成し遂げるためには強烈な牽引力が必要で、それを民主主義のように多勢が賛成して進めることは困難なのであろう。
しかし昨今のリーダー像は、過去の信長のような失敗を参考にして、「部下の育成」が重要だと言っている。これはゴーイングコンサーンの視点もあり、事業の安定的継続が必要とされるからであるが、そのような安定的なリーダーではイノベーションを起こすような画期的なものは出てこないと思う。
そんなにバランスよく、イノベーションを起こしながら、部下も育成して事業を安定的継続させるなんて欲張りすぎだと思うのである。そんなムリゲーリーダーを育成しようなんて、相変わらず会社員研修はアホである。