狭い業界の中だが、取引先だけでなく同業や類似企業の人と打ち合わせすることもそこそこある。
打ち合わせの内容は様々だが、目的や役割がはっきりしていないことが時々ある。一体なんのためにこんなに集まっているの?と不思議である。結局は年間行事の報告で形式的なものが多く、登録している会社や人を集めることに意義があるという緩いものがある。
年会費を徴収していたり、幹事企業が持ち回りだったりするととにかく、開催の意義などを考えずにこれまでの慣習を崩してはいけないという意識が働いたり、自社の担当部分をとにかくなんとなく「こなせばいい」だろうと我慢して担当している。
誰かがこのこのような会を「解散しよう」とか「短縮しよう」とか進言してくれないかな?と他人任せにしてしまう自分もイマイチであるが、とにかく無駄で不毛な会がある。
最近そのような形式的な会議をやるのではなくて、なにか有意義な会にしようと頑張る傾向も出てきた。
確かに普通に考えると給料の高い人間を集めて形式的な報告して、時には面倒な懇親会も開催して情報交換という名目にしたる重要なミッション風にすり替えているとは言え、本当に有意義な時間の過ごし方ではない。
そこでせっかくなら有意義な会にするために、よくあるのが各社に課題を持たせて改善させてその内容をパワーポイントに整理、報告させることがある。参加各社はこれまで、無駄で不毛であったがある意味休憩できていたこのような会なのに、面倒な作業をしなければいけないと非常に困ることになる。本当にはた迷惑な話である。
こういう改善などの報告会は最初は志高く、各社への押し付けにならないように、また開催企業の自己満足にならないように全出席会社の利益になるような内容にしようとするのだが、そもそも出席している会社と開催会社の温度差が違いすぎるし、高い志を根気よく浸透させて同じ方向に向くようにベクトル合わせができていないため歯車はいつになっても合わない。
大抵このような会を変えようとするのは大きな真面目な会社でいわゆるトップダウンが効いている組織であり、それを取引先に押し付けようとするのだが、ベクトルをイマイチ浸透できない上に最後は帳尻合わせのために参加会社に無理やり作業させることになる。
このようなベクトルの合わない業務で苦労するのは実務を持つ担当者やプレイイングマネージャーで、こういう取引先からの有無を言わせない押し付けありがた迷惑業務が多いことで、残業が増えたりしているのではないだろうか。顧客の言うことだから断れないし、自社にはそんな工数はないし。いかにも日本的企業と日本的な働き方である。