中年 時々ひとりになりたいし、時々話を聞いてほしい

社会人として仕事や生活をしているといろんな人と付き合わなければいけない。気が合う人ばかりのはずがない。学生の時みたいに自分に都合の良い、好きな人間、仲間とつるんでいればいいというわけではない。

仕事をして慣れてきて仕事の範囲が広がれば広がるほど、自分と価値観の違う人間と一緒に仕事をしなければならない場面が増えてくる。社会人の仕事とはたいてい自分ひとりでは成り立たないことばかりである。社会人としてどこかの会社に所属するということはそういうことなのである。

人が好き、人と会うのが好き、人と話するのが好きという奇特な人が時々いるが、本音で本当にそんなことを言っているのだろうか。

そういう人はよほど人と話すことに飢えているかもしくはただ単に自分の話を聞いてい欲しいかもしくは何も考えていない人か、どれかとしか思えない。

まず本当に人と会って話をするには、共通の言語や価値観が必要だし、相互理解が必要なはずである。つまり自分の思いをある程度コントロールしながら話を進めていかないと一定のコミュニケーションが成り立たないからである。

そういう相互理解を無視して人が好きということはあり得ない。基本的には人間はエゴな生き物で、自分に都合の良いことが一番楽だし、心地いいはずである。交流する相手にはどうしても自分に都合の良いところを自然に求めている。

もしくは自分のことは棚上げしても相手のことが好きであったり、尊敬していればコミュニケーションは成り立つかもしれない。

そんな窮屈な状態でなぜ人は社会生活を営んでいるのだろうかと思うことがある。

自分は贅沢かもしれないが、頻繁に窮屈と感じるので時々一人になりたくなる。誰とも話さず、一人で過ごす時間が人間には必要である。少なくとも自分には一人で過ごす時間が大きく不足している。一人になって日ごろの出来事をゆっくり消化して、今後どのように過ごしていくのかを考える時間が必要なのである。

 

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