中年 会社を辞めなかった理由

自分の卒業時はバブル崩壊後の就職氷河期でギリギリ引っかかった会社に入るのが精一杯だった。

そのため大学を卒業して会社に入る時、新社会人に夢もくそも感じていなかったし、定年までの37年間毎朝毎朝起きてスーツを着て電車に乗って通勤する事におぼろげながら恐怖と絶望感を感じていた。

それでも子供の頃は大人になるとお金や行動の制約がなくなり、自由になると信じていた。

早く大人になりたいとずっと思っていたが、雇われの会社員になると行動と精神的自由がなくなることを薄々感じ始めていたのかもしれない。とにかく根拠はないが出来るだけ早く会社員から卒業する事を考えていた。

しかし会社に入社した当時の自分は会社員として流されるまま人生に疑問を感じることなく日々をこなしていた。

中途半端に中小企業でない自社も最近聞く「ブラック」企業と比較すると「ホワイト」だったのでこれまで勤めて来てしまった。

完全にホワイトかと言うとそうでもなく若い頃は飲み会は必須で、断る理由もなかったが、夜中一気させられ、吐くまで飲まされたりした。

営業の仕事も客と工場の板挟みで、お互い不条理なことを言っているし問題は全然片付かないので、そのうち会社に火をつけてやろうかと思った事も何回もある。

そんな感じでこれまで仕事のやりがいは特になかったので仕事は面倒な事、と言う認識は入社以来変わっていない。

なぜ辞めなかったか。理由はいくつかある。上司、先輩、同僚に「悪い人」が少なかったと言う事もあるが、職場にいた女性とお付き合いした事が1番の理由と思い至った。

当時は若い女性社員がいたり、新しい派遣がいたりと付き合う対象が少なからずいた。仕事から逃げて女性と付き合ったのかもしれない。

少なくとも彼女達と周りに分からないようにお付き合いする事が日常と異なる感情を体験する事になったしストレス発散か仕事から目線を外す要因になっていたことは間違いない。

自分は全然男前ではないし、面白い話もできないが、週に5日8時間一緒にいたら年頃だったら好きになる事もあるだろうし、好意を抱いて対応されたら悪い気はしないのだろうか。

今思うと活気盛んでサカリがついた状況だったのかも知れない。とにかく彼女達のおかげで今も変わらず同じ会社で働いている。所詮は人間とは欲望に忠実な生き物なのだ。

今のように仕事に責任のある立場でもなかったので、仕事ファーストになることもなくプライベートを満喫できた。

いまもプライベートは大事であるが、携帯などもモバイルの発達でプライベート時間でも仕事が付いて回るため仕事のストレスから解放されることがない。

昔とは仕事のスタイルが変わってきているので、ストレスのかかり方も違う。働き方改革もそれに合わせた考え方も必要である。残業時間短縮だけではなにも解決しない。

根本的に仕事ファーストではなく、セカンド、サードくらいに優先順位を下げてもいいような考え方の変換が必要である。

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