通常の会社員は基本土日が休みなので、金曜の夜のテンションが一番上がる。週によっては金曜の午後あたりから気持ちは休みにモードに突入していく。場合によっては金曜の午前から休みモードという人もいる。
更にもっと気の早い連中がいて、木曜の夕方から休みモードに入るために飲みに行って酩酊して、二日酔いのまま金曜日を過ごす事で朦朧として、そのまま、土日に突入するといった強引な方法もある。
かく言う自分の諸先輩方がそういう連中で、良い風に捉えればポジティブなので、そのような強引に「自分寄り」に自分自身を持っていく考え方はいまの生真面目な若い連中に少しでも見習ってほしい。
しかし今思うと、毎日のように飲んで酩酊してその場を楽しんで日々を消耗している諸先輩たちは、将来のことを考えておらず非常に刹那的であった。お酒は好きだし、わいわい飲むのも好き、そのため日々惰性で飲みに行っていたのである。
自分が入社した時は景気はそんなに良くなかったが、仕事も事業環境も今よりもシンプルでストレスも少なかったように思う。そのためか仕事に埋没することなかったと思うが、もしかしたら諸先輩たちはその時すでに「中年の危機」に突入していたのかもしれない。
そしてその「中年の危機」の憂鬱感を紛らわすために日々飲みに行っていたのだとしたら、木曜日からいち早く週末モードに入るために大いに酩酊していたこともある程度理由はつく。
中年の危機で自分がキツイ状況にいるときは、出口が見えずゴールのない暗い道をさまようことになるので、少しでもその辛さを紛らわす薬がまさに大人のアルコールである。
精神的に辛いことに対応できる耐性を持ち合わせていなくて、辛くて辛いことから逃げたくなる。後から思えば大したことなかったと思うのだが、その時は直面している課題で頭がいっぱい。がんじがらめになって身動きができない蛇に睨まれたカエル状態。
人間余裕がなくなると普段持っている発想力や柔軟性が失われてしまう。頭の中だけでなく体にも変調を来してくる。動悸が早くなったり、眠れなくなったり。
自分の経験上、切羽詰まって余裕のない状況だと気が付かないうちに「呼吸が浅くなっている」ことが多い。
マインドフルネスでもあるが、「呼吸を意識して行う」ことで自然と深い呼吸となり、浅い呼吸が治る。そして意識している呼吸を継続していると心の中が少しだけ整理されていくのである。
人間の精神状態と肉体が緊密に影響しあっていることがよくわかる。「健康な肉体には健全な精神が宿る」ということでもある。