ハイヒールの甲高い音に敏感に反応してしまう。つい振り返りそうな自分を抑えながら中年男の「性」だと言い訳しながら、ゆっくりと目で追ってしまう自分がいる。
しかし何故ハイヒールはかっこよくてセクシーであんなにも良い音をさせるのだろうか。
ハイヒールの由来は単純に背を高くするとか、足元の汚れから守るため靴底を高くしたと言ったようなものだ。
実用的な側面から現在のファッション性の高いものに変化した理由はグーグル先生を調べると色々出てくるのだが、マリリンモンローはヒールの高さを変えることでセクシーな歩き方にしたとか、社交ダンスで足元が不安定な女性を男性が支えて密着しやすくするなど完全に男性を意識したものに昇華している。
どのようにかっこよくセクシーなものに昇華したのか分からないが、ハイヒールはなるべくしてあのような形になったと思わざるを得ないほど完成度が高いものだと感じる。
そもそも女性の脚線美と言うくらいだから、やはり綺麗なもので、男性目線からも非常にセクシーなものなので、それをきれいな人が公に晒すということは人間社会だけでなく、動物にも共通した習性なのである。
孔雀はきれいな羽を広げて求愛行動をするのは有名であるが、きれいなものに引き寄せられ魅了されるのは人間も動物も同じである。
特に人間は知恵がある分その傾向が強いことは当然であり、女性はフェロモンを出して男を引き寄せ更に視覚聴覚など様々な方法で訴えてくるのである。
視覚的にハイヒールの見た目がかっこいいのは分かるが、あのカッカッとした音も合わせてセクシーなのはなぜなのであろうか。
同じような音は探せばどこかにあると思うが、とにかく道端で聞こえるハイヒールの音は格段に異なるものを感じさせる。
生まれて40年以上、「ハイヒールの女の人=綺麗=カッカッ音」 の法則が身に染みてきたのだと思う。
パブロフの犬と同じ条件反射であることは間違いなさそうである。
この条件反射、ハイヒール音だけでなくもっと実用的なものにも活用できれば、中年の危機脱出のカギになるかもしれない。時間はかかるかもしれないが。