特に得意なスポーツもなかったので、男子校だった高校時代は大半が初心者であろうと想定したテニス部に入部した。どう考えても経験者が蔓延っている高校から野球やサッカーなどに飛び込む勇気はないし、バスケやバレーなどのインドアスポーツもなんかひ弱な感じがしたので、中学で少しだけかじった、かっこいいイメージのテニスに消去法で決めた感じであった。
中学三年生の時は受験勉強でテレビゲームをやらせてもらえなかったし、読書が好きでもなかったのが、唯一当時少しはやっていたアニメ(特にビデオにしかならない特別なOVA)にはまっていた。今思うとかなり恥ずかしいが中高生の時は部屋にそのアニメのでかいポスターを張っていた。特に高校の特は寮生だったので親から離れた解放感で堂々ときわどいポスターも張っていた完全なインドア派であった。
しかし高校の時のインドア派の連中は勉強が優秀であったり、読書が好きであったり、音楽好きであったりと自分とは波長が合わなそうな感じがしたので、いろんな部活を検討もせずに少し経験のあるテニス部に決めたのであった。
子供時代はそんなに運動が得意ではなかったし、思ったよりも足も速くなかったようだ。唯一自分では運動神経はいいほうだと思っていたのは、小学生の時に長い雲梯(ウンテイ)があって、同学年では上手な方だったという僅かな記憶のお陰であった。しかしそれも転校生によってあっさり得意げなプライドをへし折られて、得意項目から順位を下げることになったのであった。
運動神経がいいというのは本当に親からギフトであり、その状態を感謝すべきでもっと謙虚になってほしいと思う。小中学生の時は運動神経がいい連中の独壇場で、勉強ができなくても輝いて見えるのはなぜなのだろうか。日本の小学校の体育の授業の問題が大きく横たわっている感じはするが、日本人の国民性もスポーツ自慢を助長する土壌がある気がする。
とにかく、自分は少しだけ経験のあるテニスを高校部活青春を捧げることになった。大学もそのテニス能力でチャラいテニスサークルで楽しんだが、中学生の時に努力のボタンを忘れてきたので周りの連中にテニスの腕前はどんどん抜かされて、社会人で環境が変わって少しだけスクールに通った以降、20年近くテニスから離れてしまっていた。
しかしここに来て、中年の危機からなかなか脱出できないので、新しいことを始めるのと体力向上を目的に、近くのテニススクール荒らしをしている。勿論、通うのが目的にはあるが、問題は費用と継続が可能か。
以前同様にそんなにうまくもないのに、下手に自信があるので、調子に乗っていると痛い目に合いそうなので慎重に体力も併せてスタートするか見極める必要ある。