スタンド・バイ・三―は例の有名な挿入曲で印象に残っているが映画は見たことがない。
若くして亡くなった当時超絶かっこよかったリバー・フェニックスが出ていたことで話題になっていたと思うが映画が公開されたのは1987年。私は10代で映画の主人公とほぼ同じ年齢であった。
今、小説を読み終えてその当時にこの映画を見ていたら、アメリカ文化を理解できたかは別として自分の青春時代に少なからずの影響を受けたのではないかと想像するのである。
テレビで放送されたことも幾度もあったと思うが残念ながらこれまでに映画を見ることはなく、小説ももちろん読んでいない。
小説はブックオフオンラインで購入済であり、今回入院にあたり時間ができたため読むことにした。
そもそも購入のきっかけは、息子に青春に合わせた本を読ませたと思ったことであった。タブレットでyoutubeやゲームばかりでは、薄っぺらい人間になってしまうと危惧している。自分も大した青春を過ごしてはいないが・・・。
そこでネットで検索して、青春小説の定番の「ライ麦畑でつかまえて」や「夜のピクニック」「君の膵臓を食べたい」等をまとめ買いした中にスタンド・バイ・三―が含まれていた訳である。
小説スタンド・バイ・ミーは短編集『恐怖の四季』の中に収められた秋の物語『THE BODY』の邦題とのこと。「BODY」はおそらく死体のことで、この死体を探しに冒険する少年たちの物語なのであった。
スタンド・バイ・三―自体はスティーブン・キングの子供のころの実体験?のようで、小説内では成長して小説家になった自分の描写や、自分の短編小説が挿入されていたりで、時代が前後したりで途中混乱する。
更には1970年代のアメリカ(古き良き?)の音楽や映画、俳優、政治、事件などの話が多く、正直前半や途中は感情移入ができなくて読みづらかった。入院生活でなければ読み通すのは到底無理だった・・。
それでも途中途中で4人組のハラハラさせられる青春時代の話に引き込まれて最後まで読むことができた。少年から青年へと成長する描写が絶妙で、妙に粋がって大人ぶってみたり、その反面感情が爆発して友達の前でも恥じらいなく号泣してしまうところなど、演出とは言え共感する部分は大いにあったでのある。
但し、当時のアメリカの暴力的な環境にはかなり違和感を覚えた。他人同士の暴力だけでなく、DVも頻発しているようなのが当時のアメリカのスタンダードではないと信じたいが。