少し前から全仏テニスをテレビ観戦している。たまたまテレビを見たら錦織選手が激戦を繰り広げていたのでついつい見入ってしまい、惰性でそのまま試合終了まで観戦(深夜2時・・)。錦織選手がベスト16をかけた確か3回戦のラスロ・ジェレ選手との試合であった。
試合内容はいつも冷や冷やさせてくれる錦織選手の真骨頂であるフルセットを戦ってくれて、しかも、最後はタイブレークならぬ、2ゲーム差が付かないと勝敗がつかないサドンデス式(名称は違うかも)でみごと勝利。
最終セットなどは見ている方が怖くて、途中何度か目をそらしてしまうくらい薄氷の戦いであったように思う。
しかし錦織選手のこのような激戦を見ていて気付かされるのは、「あきらめない心」である。あの究極のメンタルの強さを簡単に「あきらめない心」と表現するのは雑すぎて申し訳ないが、とにかく最後の最後まであきらめないで自分を信じてプレーしているのである。
当然、その「あきらめない心」には、裏打ちされた超ハードな練習があるはずだ。どのような訓練をしているのは知りたいが、とても真似ができるものではないことは容易に想像がつく。
最近は個人プレーのテニスでもコーチやフィジカルトレーニー、メンタルケア、栄養士等などが一緒になって一人の選手をサポートするようなので、過去のように孤独で戦う苦しさはないのかもしれない。
そのため選手生命が長くなっているようで、フェデラーは約20年現役を続けており御年37歳である。あのハードなスポーツでを37歳で続けてしかもランキングトップ3とは信じられない。
錦織選手は29歳と微妙な年齢になってきて、フィジカル面で今後どのように上位選手と戦っていくのかが課題かと思う。
ところでほかの試合を見ていないし、錦織選手しか応援しないので、試合時間はそんな気にしないが、実際にローラン・ギャロスに見に来ている観客は良いプレーをたくさんたくさん長時間観戦したいのか(高額な観戦チケットの元を取りたいと思うセコイ人は見に来ていないはず・・)、ブレイクバックしたり、タイブレイクや競り合ってきたりするとかなり盛り上がってくる。どっちの選手にいいプレーが出ても拍手喝采がでるのである。
これは移民や人種の多いフランスというお国柄なのかもしれないが、はるか遠い国の日本の選手にもちゃんと平等に応援をしてくれていてほっこりする時間でもあった。
そして今回、錦織選手の活躍以外に気になっていることがある。毎年テレビ観戦をしているわけではないが、今回は解説者が「このフィリップ・シャトリエで・・」という表現をしきりに使っていたように感じたのである。はじめは会場が「ローラン・ギャロス」から「フィリップ・シャトリエ」に移転したのかと思っていたが、調べてみると決勝が行われるセンターコートのことを言っていることが分かった。
以前は「ここローラン・ギャロスでは・・」となんともこのおしゃれっぽいフランス語を使い倒していたように感じていたが、今回はほとんど「ローラン・・・」は聞かれず代わりに「フィリップ・・」を使いたくて仕方ないように感じた。
とにかく今回は「ローラン・ギャロス」ではなく、「フィリップ・シャトリエ」なのである。確かにこの「フィリップ・シャトリエ」という響きはなんともおしゃれでかっこいい。神戸の洋菓子のフィナンシェで有名な「アンリ・シャルパンティエ」のような高級感を感じてしまう。そして日本人とはやはり、舶来ものに弱いのである。
「フィリップ」を調べると「トルシエ」「モリス」「フィリップス」などありそうで意外と出てこなかったが、何となく高貴な感じがするのはフランスの貴族の名称であるからに違いない。
ちなみにwiki講師によるとセンターコートは「フィリップ・シャトリエ」だが、2番目に大きいコートは「スザンヌ・ランラン」とのことで、残念ながら高級感というよりかわいい感じになっている。